この話には、Minisforum が立派に見える版がある。そちらから先に紹介する価値はある。なぜなら、それも事実だからだ。同社は NAB9 ミニPC の一部ロットが誤ったコンデンサで組み立てられていることを把握すると、公開の品質告知を発表し、影響を受けた顧客に交換対応を申し出た。中国系ブランドが多くを占めるこのカテゴリでは、不具合を静かに処理する文化が根強い。混乱した顧客が一人、丁寧なメールを一通送り、閉じたループの中で一台だけ交換される――そんなやり方が普通のなかで、公式に文書化して公表することは当たり前ではない。Minisforum はそれを行った。声明は今も同社ブログに残っており、「This issue is due to a mix-up in the capacitor materials supplied by our vendor for this batch.」という一文で始まっている。

ここまでが NAB9 の件でもっとも評価できる部分だ。それ以降の話は、どれもこれほど好意的には書けない。

告知の実際の対象範囲

「該当ロット」という言葉からイメージされるほど、範囲は狭くない。Minisforum 自身の品質告知によれば、2024年9月19日から2025年3月14日にかけて製造された個体――実に約6か月にわたる生産期間のすべて――が、疑わしいコンデンサを搭載している可能性がある。顧客はシリアルナンバーを確認し、3桁目から5桁目が「386〜526」または「017〜117」の範囲に入るかどうかを自分で調べるよう求められている。

平たく言えば、2024年後半から2025年初頭にかけて Minisforum あるいは代理店で NAB9 を購入したほぼすべての買い手が対象に含まれており、自分で確認する必要があるということだ。製品ページには何も注意書きが出ない。出荷箱にも同梱の紙にも、何も書かれていない。影響を受けた顧客のデフォルト状態は「知らないまま」である。

どんな故障が起きるのか

症状は具体的で、そして厳しい。正常にシャットダウンしたあと電源が入らなくなる、あるいは突然電源が落ちてそのまま戻らない、というものだ。PC GamerNotebookCheckVideoCardzGuru3Dは、いずれもこの件を重大な問題として報じた。特に PC Gamer は、2000年代初頭の「コンデンサ疫病」――業界が何年もかけて克服した、世代を象徴する品質管理上の大惨事――を引き合いに出している。

中間状態はない。動作が鈍ることもなければ、警告が出ることもない。ある日、ただ突然電源が入らなくなる。ほとんどの消費者にとって、これは「電源コードの抜き方が悪かった」「どこかにぶつけた」としか読み取れない症状だ。最初に思いつくのは、別のコンセントに挿してみる、電源ボタンを長押しする、電源ケーブルを変えてみる――つまり、誰かがシリアル番号を確認するよう勧めるまでの数週間を無駄にする、まさにその種のトラブルシューティングである。

「交換」の実際の中身

Minisforum の対応策は、確認のうえで交換を行うというプログラムである。影響を受けた顧客がサポートに連絡し、疑わしい個体を返送し、新しい NAB9 を受け取る。紙の上では正しい対応だ。だが実際には、コストを買い手側へ戻す3つの摩擦がある。

第一に、交換品の保証期間は新品同様の2年にはリセットされない。公開された報道によれば、交換品には12か月の追加保証が付与されるだけで、新しい個体を受け取った日から2年間という扱いにはならない。2024年10月に購入し、2026年6月に交換を受けた買い手は、自分に何の責任もない欠陥のために、元の保証時間を実質的に消費していることになる。

第二に、返送時の送料と関税だ。Minisforum の一般的な保証ポリシーでは、購入から1週間を過ぎると返送費用は顧客負担となり、同社の関税免除保険も返送便はカバーしない。イギリス、ドイツ、フランス、日本、韓国といった市場では、国際宅配便で中国へ返送すると簡単に3桁台のコストがかかる。顧客は実質的に、工場側のミスを直すために自腹を切っていることになる。

第三に、知る努力そのものが顧客任せである。同社は、登録されているクレジットカードの住所へ積極的に通知メールを送っていない。ブログ記事を投稿しただけだ。静音ホームサーバーとして NAB9 を購入してクローゼットに設置し、それ以降この製品について Google で検索したことがない人には、そもそも情報が届く経路がない。時限爆弾を抱えた個体は、壊れる日まで正常動作品と見分けがつかない。

称賛と、その称賛の代償

Minisforum が欠陥を公に認めたことは評価されてしかるべきだ。この記事の冒頭で触れた「救いの部分」はまさにそこであり、それは本物である。ただし、ある軸で評価された功績には、別の軸におけるコストを覆い隠す癖がある。

ここで言うコストとは、6か月にわたる生産期間全体が影響を受けたこと、発見経路は顧客自身が始めなければならないシリアル番号照合であること、交換品の保証期間が短いこと、そして救済手段を使うための物流コストが買い手に転嫁されていることだ。NAB9 回収問題の公平な総括は「Minisforum は正しいことをした」ではなく、「Minisforum は一つだけ正しいことをし、残りの負担を買い手が静かに肩代わりしている」である。あなたの NAB9 がこの期間に製造された個体なら、そのことを自分で発見し、自分の費用で返送し、最初に購入したときより短くなった保証で妥協することになる。これは報道の多くが書き切らなかった話であり、次にこのブランドを検討する顧客にとって意味を持つのは、むしろそちらの話のほうだ。